微笑み地蔵・hiroyomiの日記

発達障害(ASD)、AC当事者。イベント主催情報、発達障害・マイノリティに役立つ基礎知識、お出かけ情報

「女性の発達障害」の講演に行ってきました。

おはようございます。ひろよみです。相変わらず寒暖差があり、雨が降ったりやんだりが続きます。私はようやく風邪が治りました。皆さまも変わらず体調にはお気をつけください。

 

さて、昨日は、大阪梅田近くのオーバルホールにて、女性の発達障害の講演を聴いてきました。

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 NHKあさイチ「女性の発達障害」に出演経験もある、発達障害分野の第一人者の宮尾医師、私も何度か足を運んだことのある発達障害当事者会「DDAC」代表の広野ゆい氏、NHK「バリバラ」など出演経験のある当事者で神戸市発達障害定期相談員の笹森理絵氏による講演でした。

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 宮尾医師の講演での内容。医学的には発達障害の診断は男女関係なく基準は同じですが、特性や症状は微妙に違うため、女性の発達障害は特に見逃されやすいそうです。

 

また、専門家や発達障害界隈では割と有名な話ですが、発達障害は制度上は精神疾患に含まれていますが実際には脳機能不全によるものだという話もされていました。発達障害支援法のできた2005年あたりに、発達障害だけで手帳を作るのは10年程かかるらしく、既存の障害に発達障害を入れるのならすぐに手帳などの支援を得られるという裏事情を教えていただきましました。

 

広野氏や笹森氏の講演でもおっしゃっていましたが、女性同士だとガールズトークもしかり空気の読み合いなど常に求められる、社会が求める女性像(家事・片づけ)とのギャップなど、女性当事者ならではの悩みも聞くことができました。発達障害の概念自体がここ15年くらい(支援法は2005年、医学としては1980年頃)なので、学生時代は特に理解されず、辛かっただろうと想像できます。

 

講演後の質問コーナーにて、気になった点をいくつか。

 

発達障害の特性によるフラッシュバック・タイムスリップ現象(過去の辛い記憶がふとしたタイミングで思い出してしまう現象)の対処法として、その当時と今は違うと区別するよう意識する、環境がそうさせるから環境を変える、いい環境でも起こるなら主治医や心理士・当事者会など味方してくれる人に相談(一方的に話すだけでもいい)するのが有効とのことでした。また、辛い過去自体は消えないので、それを良い記憶と結びつけるなど、その記憶を上書きするようにして克服するという手段もあるようです。薬物療法SSRI)なども有効のようですが、あまりお勧めではないようでした(記憶違いならすみません)

 

・慢性疲労について。それ自体は付き合い続けないといけないので、いかに疲れすぎないようなスケジュールにする、何もしない日を作る・増やす、仕事時間を減らす、アミノ酸やミネラルなどで栄養を取るのがいいとのこと。特に鉄分が重要らしいです。詳しくは語られなかったですが、日本リハビリテーション学会では慢性疲労に有効なサプリメントがあるようです。

 

・支援学級について。支援学級では、特に小学校からだと重度の方が多く、勉強の場というよりは就労のための作業、体力づくりなどが主で、就職の面接対策が厳しいそう。支援学級は増えていてカリキュラムもそれぞれのようなので、当事者が卒後どういう進路に進みたいかというニーズを大切にして支援学級か普通学級かを選択すべきとのことでした。

 

その他にも、アドバイスをするにはある程度の信頼関係ができてから、当事者が悩み相談してきたら適当に「大丈夫」などと流さずにしっかり聞いたり見守ったりすることが大事ということもおっしゃってました。

 

ここに書いた内容はごく一部ですが、非常に有意義な時間を過ごすことができました。今後の活動やアドバイスに生かせられるようにしたいと思います。それでは。